イサドラの子どもたち

この監督の映画、『パーク』は好きだったけど、『泳ぎすぎた夜』は実はちょっとピンとこなかったので、正直今回はどうなんだろう? でも、結構評判は良いよねえ…と気にはなっていた。

とはいえ、私はダンスに関しては全くの門外漢だからなあ。

イサドラ・ダンカンについても、彼女の功績より、黒柳徹子さんが亡くなられた森光子さんへの弔辞で語ったエピソード(不謹慎と思いつつ爆笑してしまう)で知ってるという程度だし(おいおい)。

 

そんな感じで、U-NEXTにめでたくダミアン・マニヴェル監督『イサドラの子どもたち』(2019年)が入ってたので、漸く見た。

まずイサドラ・ダンカンのことを知らなくても、ある程度のことは映画の中で説明してくれるし、自伝の朗読もある。そしてイサドラ・ダンカン「母」というダンスを軸に4人の女性たちのそれぞれの姿が描かれるという「仕組み」も、見ているうちにちゃんと分かってくる。ダンスは門外漢の私でも、すんなりと(?)作品の世界に入っていくことが出来て安心した。

面白かったのは、女性たちはイサドラの「母」という共通点はあるが、イサドラの言葉や「母」というダンスとの向き合い方はそれぞれに違っていて、にも関わらず、画面からは共通する何かが見出せたり、どこか呼応しあうようにも見えてくることだ。特に最後に登場する女性のくだりは、その見せ方も含めてとても感動的だった。